菌な人をご紹介[Summer 2024]

   2025/01/05

世界には私たちが知らない、ふしぎな菌が数多く存在しています。
そんな菌を愛する変形菌ハンターによる、美しい世界をご紹介。

変形菌はどこにいるの?

変形菌は種によってほぼ決まった場所に発生する特徴があります。倒木など枯れ死した樹木には、マメホコリ、ウツボホコリなどの比較的大きな変形菌が発生します。アミホコリなど針葉樹を好む種と落葉樹を好む種にもわかれます。

栗のイガにはシラタマウツボホコリが、コンクリートに生えた苔の上にはコケジクホコリが発生します。広葉樹の落葉や枝にも変形菌が発生しますが、生木の樹皮にもキノウエホネホコリなどがいます。寒冷地では、雪に押しつぶされた枝や笹の葉の上でホネホコリの仲間などが雪解けを待っています。

砂漠のサボテンで成長するもの、動物のフンの上で発生するものもいます。水中至っては、いまだ研究が進んでいません。そうなのです。地球は変形菌で満ち満ちているのです。

キカミモジホコリ

黄緑や黄色の頭にオレンジの足の可愛らしい変形菌がいます。肉眼では黄色い毛に見えたことからこの名前がついたそうです。モジホコリの仲間は外見では種が同定できないものが多いのですが、これは鮮やかなオレンジの柄でほぼ同定可能です。

春から秋に見られる変形菌で、大きさも1~2ミリと小さいのですが、腐木上にびっしりと群生している姿は、「キカミモジホコリ祭り」のようです。

上の写真は、変形菌の中では大きめの1センチ位のマメホコリと一緒に発生したキカミモジホコリです。キカミモジホコリの小ささがイメージできるでしょうか?

文章・写真ご提供はこの方

引地 美喜子 さん

十和田奥入瀬・八甲田山麓をフィールドに、早春から晩秋まで変形菌を探して山野をかけ巡る自称変形菌ハンター

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