私たちに身近な菌のおはなし[Summer 2022]
アクネ菌はお肌の最大勢力
アクネ菌は私たちの肌に一番多く住む
常在菌だということをご存じですか?
殺さずに活かしてバランスをとろう
昔からニキビの原因菌として嫌われてきたアクネ菌。
ニキビケアの化粧品も多くがイソプロピルメチルフェノールやサリチル酸などで「殺菌」してニキビを治すというアプローチをしています。
しかし、アクネ菌は実は私たちの肌に一番多く存在する常在菌で、肌を弱酸性に保ち、バリア機能を維持するために欠かせない大切な役割を担っているのです。
そして肌を美しく保つのに欠かせない美肌菌(表皮ブドウ球菌)はアクネ菌よりもずっと少なく、肌の表面に存在しています。
アクネ菌は毛穴の中にいて、数も多いので、殺菌成分を肌に投入すると、真っ先に居なくなるのは美肌菌です。
身体の健康についても、腸内にいる善玉菌の好物を与えるのが大切です。
美肌菌は皮脂膜を整え、余分な皮脂や毛穴汚れを掃除してくれる大切な存在です。
ですので、肌の上から美肌菌がいなくなると、バリア機能も弱まり、毛穴もつまりやすくなるのでかえって肌の状態は悪くなってしまいます。
良い菌、悪い菌というのは私たちが勝手に作ったレッテルで、常在菌の多くは肌のために欠かせない役割を担ってくれています。
大切なのは、菌のバランスを整えること。
より良い働きをする菌を増やすことで、他の菌の悪い働きを抑える。
自然の生態系のように、バランスと循環を維持することが、肌の環境を守るためにも大切なのです。
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