人と菌~肌は「落とす」だけでは整わない!? 40代・50代の敏感肌に知ってほしい皮膚常在菌とバリア機能の話~美肌菌のBioMedi
BioMedi 菌研究ブログ
「きちんと洗っているのに、なんだか肌が落ち着かない」。そんな声を聞くたびに、スキンケアは“何を足すか”だけでなく、“何を守るか”の時代に入っていると感じます。肌の表面には、目に見えない小さな住人たちがいます。皮膚常在菌です。最近ではこの菌たちをまとめた生態系を「スキンマイクロバイオーム」と呼び、皮膚科学や化粧品研究の分野でも重要なテーマになっています。
ここでいう美肌菌とは、特定の菌だけを指して「これさえ増えればよい」と考えるものではありません。肌の上で皮脂や水分、pH、角質、うるおいと関わりながら、すこやかな肌環境を支えてくれる常在菌たちを、暮らしの中でどう守るか。その視点が、BioMediの考える美肌菌ケアです。
ここで大切なのは、「菌=悪いもの」と単純に見ないこと。もちろん、特定の菌が増えすぎたり、肌の状態が大きく乱れたりすることでトラブルにつながる可能性はあります。しかし、皮膚常在菌の多くは、肌表面のpH、皮脂、角質、水分、免疫反応などと関わりながら、私たちの肌環境の一部として働いています。2026年のスキンマイクロバイオーム化粧品に関するレビューでも、プレバイオティクス、プロバイオティクス、ポストバイオティクスといった“バイオティクス”領域への期待が整理される一方で、まだ臨床的な証拠や表現のルールには課題があるとされています。つまり、流行語として使うのではなく、肌のしくみとして丁寧に理解する必要があるのです。
菌研究から見えてきたこと

肌のバリア機能というと、角層や皮脂膜を思い浮かべる方が多いかもしれません。けれど近年は、バリアを「物理的な壁」だけでなく、「化学的・免疫的・微生物的なネットワーク」として見る考え方が広がっています。皮脂や汗、天然保湿因子、角層細胞、そして常在菌。それぞれが別々に働くのではなく、関係し合いながら肌を守る。ここが面白いところです。
たとえば、洗顔やクレンジングは大切です。メイク、酸化した皮脂、ほこり、花粉などを残したままにすることは、肌にとって心地よい状態とはいえません。ただし、「落とす」ことが強すぎると、必要な皮脂やうるおいまで奪い、常在菌が暮らす環境にも影響を与える可能性があります。洗うこと自体が悪いのではなく、“落とす”と“守る”のバランスが大事なのです。
ビオメディが大切にしてきた「常在菌との共生」という考え方は、まさにこの視点に近いものです。ビオメディは、肌の健康を守るために常在菌との共生を重視し、過剰なケアを避け、シンプルなお手入れで肌を守るという哲学を掲げています。これは「何もしない美容」ではありません。むしろ、肌が本来持っている環境を邪魔しすぎないための、かなり積極的な選択です。
「落としすぎない」ことの大切さ

最近の研究で注目されているのは、肌の菌バランスを“増やす・殺す”という単純な発想で扱わないことです。菌の種類、肌の部位、皮脂量、年齢、季節、生活習慣、使っている化粧品のpHや防腐設計まで、さまざまな要素が関係します。だからこそ、「この菌がいれば美肌」「この成分で菌が増える」といった短い言葉に飛びつくのは少し危険です。
40代・50代の肌では、乾燥、ハリ不足、ゆらぎやすさを感じる人が増えます。ここで大事なのは、刺激の強いケアを重ねて肌に“結果を急がせる”のではなく、まず毎日の土台を整えること。洗いすぎない。こすらない。保湿を途切れさせない。肌が落ち着かない日は、攻めの美容を少し休む。こうした地味な習慣こそ、皮膚常在菌が暮らす環境にもやさしい選択になります。
もちろん、化粧品でできることには範囲があります。化粧品は病気を治すものではなく、肌を健やかに保つためのものです。だからこそ、ビオメディが伝えるべきなのは「肌トラブルを治す」ではなく、「肌環境を整える」「うるおいを守る」「肌の生態系を大切にする」という言葉だと思います。
明日からできる小さな実践
明日からできることは、とてもシンプルです。朝の洗顔を見直す。タオルでこすらない。クレンジングを使わないで良い日をなるべく多くする(石鹸で落とせるメイクを増やす等)。肌が敏感な日は、アイテム数を減らす。そして、肌を“取り締まる”のではなく、“育てる場所”として見る。そう考えるだけで、スキンケアの手つきは少しやさしくなります。
菌と共にある肌は、無菌の肌ではありません。完璧に管理された肌でもありません。毎日ゆらぎながら、それでも自分で整おうとする肌です。その力を邪魔しすぎないこと。これが、これからの菌ケアのいちばん現実的で、いちばん美しい入り口なのかもしれません。
もう一つ、意識したいのは“肌の機嫌を観察する”ことです。昨日と同じケアをしても、今日は少し乾く。季節の変わり目だけ頬が赤くなりやすい。忙しい週の終わりに口元が荒れやすい。こうした小さなサインは、肌が怠けている証拠ではなく、肌の生態系が環境に反応している証拠です。スキンケアを成果主義で見ると、すぐに強い手段を選びたくなります。けれど、菌と共にある肌を考えるなら、まずは“いま何が負担になっているか”を見つけることが大切です。
ビオメディが提案できるのは、肌を無理に変える美容ではなく、肌が落ち着きやすい条件をそろえる美容です。強い言葉で不安をあおるより、知識を渡し、自分の肌を信じられる人を増やすこと。
肌に何かを強く命令するものではなく、肌と菌が自然に働ける余白を残すことです。毎日の洗い方、保湿、摩擦の減らし方を少し見直すだけでも、美肌菌を意識した暮らしは始められます。
このブログが少しでも皆様の肌の健康のお役に立てることを願って。
執筆:岡本鏡子
よくあるQ&A
Q1. 美肌菌は、洗顔すると全部いなくなってしまうのですか?
A. 洗顔で肌表面の菌の一部は洗い流されますが、肌はまた自分の環境に合わせて菌の状態を戻していきます。大切なのは「洗わない」ことではなく、落とす力が強すぎる洗浄やこすりすぎを避け、美肌菌が戻りやすい肌環境を残すことです。
Q2. 敏感肌でも美肌菌ケアはできますか?
A. できます。むしろ敏感に傾きやすい肌ほど、強く攻めるより、摩擦を減らし、うるおいを守り、過剰なケアを整理することが大切です。美肌菌ケアは、肌を無理に変えるというより、肌が落ち着きやすい条件を整える考え方です。
Q3. 今日からできることは何ですか?
A. クレンジングや洗顔を“短時間でやさしく”、タオルでこすらず押さえる、乾く前に保湿する。この3つだけでも、肌の生態系への負担を減らせます。美肌菌を育てる第一歩は、特別なことより「壊しすぎない」ことです。
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参考文献・参考資料
・Munteanu C. et al. (2025) Unraveling the Gut–Skin Axis: The Role of Microbiota in Skin Health. Cosmetics. https://www.mdpi.com/2079-9284/12/4/167
・Kapoor M. P. et al. (2025) Dietary intervention of prebiotic partially hydrolyzed guar gum improves skin hydration and TEWL: randomized double-blind placebo-controlled study. Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39896159/
・Chia J. et al. (2026) The Skin Microbiome Revolution: The Science and Challenges of Pre-, Pro-, Post- and Synbiotic Skincare. Cosmetics. https://www.mdpi.com/2079-9284/13/1/43
・Talens-Visconti R. et al. (2026) Cosmetic Interventions for Skin Microbiome Modulation. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC13084527/
・Prajapati S. K. et al. (2025) Microbiome and Postbiotics in Skin Health. Biomedicines. https://www.mdpi.com/2227-9059/13/4/791
・Zeng M. et al. (2025) Prebiotic Oligosaccharides in Skin Health: Benefits, Mechanisms, and Applications. Antioxidants. https://www.mdpi.com/2076-3921/14/6/754
表現上の注意:本記事は研究知見を一般向けに解説するものであり、特定の疾患の治療・予防や、製品による医薬的効果を示すものではありません。


